名作誕生展

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名作誕生展に行ってきました。

東京国立博物館ははじめて!!

 

様々な時代の日本美術作品約130点が、12のテーマに分けて展示されていて、

本当に豪華!

一点一点、勿論素敵なんだけど、それぞれの作品が実は共通の背景を元に作られていたり、同じ人の影響を受けて作られた作品だったりという、「つながり」を

意識してみることで、歴史の流れを感じながら鑑賞することができました。

 

しかも、音声ガイドが壇蜜櫻井孝宏さん。癒された~~

 

 

特に印象に残ったところ。

★第二章 巨匠のつながり

 

雪舟の山水図。

玉澗風の作品が日本で室町時代に流行して、雪舟もこの画風で作品を沢山作っていたそう。驚いたのは、30代の頃に書いた山水図と、70代の頃に書いた山水図のタッチが

凄く印象が違ったこと。30代では、黒々していて、どちらかといえば荒々しい印象が、70代になると、やわらかく澄んでいて、風の音が聞こえそうな凛とした雰囲気に。

どちらも味があって素敵だけど、やっぱり晩年の作品の方が洗練されていて、個人的には好きでした。

 

 

四季花鳥図屏風

ダイナミックでやっぱり凄い。

横に明の画家の同じような作品が並べられていて、雪舟はこれを参考にしたらしい。

木や小鳥の重なり方・配置、奥に流れる滝と、複雑な構図が類似していて、

影響を受けていることがすぐに見て取れます。

 

★第三章 古典文学につながる

 

「唐衣 きつつなれにし つましあれば はるばるきぬる 旅をしぞ思ふ」

伊勢物語

 

作者の在原業平が東国へ旅をした際に、三河の八橋というところで、

沢のほとりにかきつばたが咲いているのを見て、読んだ句。

 

長年慣れ親しんだ妻と、着慣れた唐衣を掛けて、遠くまで旅に

きたんだなぁと、しみじみと読んだ風情がある句です。

 

伊勢物語に関連した作品が沢山飾られていましたが、

中でも、国宝である尾形光琳の「八橋蒔絵螺鈿硯箱」がやっぱり目を引きました。

 

 

 

 

人物が一切省かれて、「かきつばた」「八橋」といった象徴的なモチーフのみが

描かれていて、物語の主題のみを語る、印象的な作品でした。

 

かきつばたの漢字、「燕子花」は紫色の花が燕が飛んでいる様子を連想させることから

このように書かれるようになったそうです。

 

主張も控えめで派手すぎず、静かに咲く様子が日本らしくて素敵な花だなぁ~

 

★第5章 人物を繋ぐ

見返り美人図(菱川師宣

 

葛飾北斎の浮世絵とか、江戸時代の作品って、活気があって凄く好きなので

この「見返り美人図」も楽しみにしていた作品のひとつ。

 

艶っぽさと可憐さが共存していてすごく素敵な作品でした。

当時の美人ってこんなかんじだったんだろうな~

 

髪型もファッションも、当時の最先端で、

桜と菊が描かれた「花の丸」という着物はレトロモダンで今着ても

絶対可愛い!

帯は吉弥結び。上村吉弥という女形の歌舞伎役者が流行らせた結び方で、

帯の両端に鉛をいれて、だらっとたらして犬の耳?みたいにしたもの。

粋で素敵。

 

他にも見所は沢山で、日本芸術って改めて素敵。。。と感じたGWでした。